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新卒紹介×開拓者対談 第3回
新卒紹介×開拓者対談

見直しが図られた「倫理憲章」が新卒採用に及ぼす影響とは?
学生は、大学は、企業は、そして採用業界に携わる我々はどう変わるのか、どう生き抜くべきなのか。
採用の未来を、業界で活躍する方々とシンクトワイス代表 猪俣知明が読み解きます。

第三回目は、『就活キャリア』代表取締役舩川治郎様をお迎えし、
2016年度新卒採用がもたらす社会への変化、
そのために我々が備えるべきこと、変わるべきことをお聞きします。

メリット<デメリット!? 16採用が変える社会と採用業界

猪俣

この対談では、倫理憲章の見直しで2016年度の新卒採用はどう変わるのか、また採用業界や学生にどのような影響がでるのかをお聞きしています。舩川さまには、さらに大きな視点でのお話もしていただきたいと思っています。

舩川

よろしくお願いします。

猪俣

舩川さまは16採用の変化をどのように予測されていますか?

舩川

15採用よりも厳しくなると考えています。ただ、それは全体を俯瞰した場合の話であって、細かく見ていくとそうではない部分も当然あります。

猪俣

それは具体的にはどのようなことでしょうか。

舩川

採用のスタートが後ろ倒しになることで、採用活動・就職活動に使える時間は減ります。そのため多くの企業、学生はいままで通りの活動をしていたのでは成果が上げられなくなる。しかし、例えば就職人気ランキングのトップ200に入る人気企業は違います。エントリーは例年と変わらずあるはずですから。そうなるとナビやアウトソーシングを利用する期間も短くなり、内定者フォローの機会も少なくなる。人件費を含むコストが削減されるというメリットがある。

猪俣

倫理憲章が経団連が定める指針であることを考えると。

舩川

そうですね。経団連の主要企業にとって有利な指針となっていることは否定できませんね。でも、大企業も安心してはいられませんよ。外資系のコンサル会社やメガ・ベンチャーの多くは、従来通りに近い時期に採用を行うでしょう。学生にとって人気の企業です。倫理憲章を遵守していれば、学生をさらわれる可能性がある。

猪俣

逆に倫理憲章が縛りになるわけですね。

舩川

学生に目を転じると、上位2割の学生は、例年と変わらず内定を取るでしょう。期間が短いので、彼らにとっては時間だけでなく支出削減のメリットもあります。彼らが内定を重複して取ることも考えられます。

猪俣

企業も学生も、トップクラスに関してはメリットがあるわけですね。

舩川

あとは日本人留学生にとっては、ありがたいかもしれません。彼らの多くは4年生の6月に帰国して就活を始めます。従来と比べて遅れが少なくなりますね。

猪俣

となると、それ以外の学生や企業にとっては……。

舩川

デメリットの方が大きいでしょう。例えば、教育実習や公務員試験を考えている学生は、ピークの時期がかぶります。短い期間に内定出しが集中するでしょうから、そこで内定が取れなかった優秀層以外の学生は、就職すら危ぶまれることも考えられます。就職浪人が増えるんじゃないでしょうか。

猪俣

中間層以下の学生の就活は長引く傾向にありますからね。じっくりと企業を探して、ぎりぎりに採用される学生も多い。その期間が短くなるわけですから、4月入社ができない学生もでるでしょうね。

舩川

中小企業は採用活動に苦戦するでしょうね。学生が大手やメジャーに殺到している間に、採用期間が終わる可能性もある。以上のようなことから、今回の見直しでは一部にメリットがあり、大部分はデメリットを被る、と予測しています。

情報量とマッチングが 16以降を生き抜くためのキーワード

猪俣

では我々採用業界に関わる企業についてはどう予測されますか?

舩川

チャンスだと思っています。先ほどお話しした理由で、中小企業は採用に苦戦するでしょう。優秀層以外の学生も、内定の獲得に苦戦するはず。今以上に私たちのような新卒紹介のニーズは高まると思うんです。大量採用をする大企業では、大きな母数を集められるので、そこからバリエーションをもった社員を採用できます。中小企業はそれが難しい。そこを我々が担うのです。たとえば、業界イメージで男性は集まるが、女性は来ないとか、その逆とか。あるいは採用目標10名中、独立志向1名、さわやか系3名、コツコツ系5名、変人1名。そうやって細かい人材のニーズを策定し、ポートフォリオ別の採用を行うことが、中小企業が16採用で成功する方法だと思うんです。そのマッチングこそ、学生の詳細まで知っている新卒紹介会社が得意とするところ。

猪俣

スポットで欲しい学生だけを集めていくという工夫を中小企業がしないといけないということですね。

舩川

舩川氏(左)、猪俣氏(右)そうです。相互理解を深めるには、インターンシップも有効です。特に長期就業型のインターンシップは増えるんじゃないでしょうか。また、バイトをしていた学生をそのまま社員に登用する企業も増えるでしょう。面接では見抜けない学生のポテンシャルも、長期間共に働けば良くわかりますから。ただ、インターンシップは大手企業も行うので、中小企業がそこに勝てる予算と企画を用意するのは難しいでしょう。そうなると学生の評価情報と動員力を持っている新卒紹介会社に頼るほうが早いということになりますね。学生の多様なレーティングを請け負う専門サービスなども出てくるんじゃないでしょうか。

猪俣

新卒紹介ではキャリアのプロが学生を見極めているわけですからね。そこの部分は得意なところであり、事業のキモでもあるわけです。

舩川

我々は学生のスクリーニングと育成、中小企業への誘導に力を入れなければなりませんね。伸びる学生の情報と最適な学生の動員力を持っているところが勝ち抜くことになりますから。

猪俣

就活キャリアさまではどのようなことを考えていらっしゃいますか?

舩川

16型のインターンシップやイベントの開催も考えてはいます。また、育成のための講座も開いています。これは大学と連携して行っています。大切なのは一回きりで終わらないこと。継続的に学生と接触できる工夫が必要です。そうでないと学生の素養や成功は計れませんからね。シンクトワイスさんも様々なイベントを行われていますよね。そこが入口で、というわけですよね。

猪俣

おっしゃるとおりです。

舩川

前述のとおり、上位優秀層は自分たちで内定を獲得します。私たちは上下40%ではなく、中間層60%に強い企業を目指しているんです。その層の、一人ひとりの長所をしっかりとつかみ、中小企業のニーズに対してどんどんマッチングさせていこうと考えています。

新卒採用が社会問題に波及する中、拡がるビジネスチャンスとは

猪俣

16採用以降についても、舩川さんの考えをお聞かせいただきたいと思います。

舩川

今回の変更は3年は続くでしょう。16でやってみて、17の最中にその反省をまとめますから、再変更するにしても18では間に合わない。早くて19採用からの再変更となるでしょう。なので16段階から成功パターンを確立しないと、中小企業は数年間も人材を確保できない可能性がある。最初にお話ししたように、多くの就職浪人を生んでしまう危険性もはらんでいます。そうなると、国や市町村がやっている就職支援、ハローワークなどの変革も重要性を増すでしょうね。

猪俣

倫理憲章は経団連が主導で策定しますが、政治と企業の新卒採用はどのように関連しているんでしょうか。

舩川

新卒採用問題は、極めて重要な政治的課題の一つです。少子高齢化が世界最速で進行する日本において、新卒社員は、極めて貴重な若年労働力であると同時に、社会保障を支える根幹でもあります。若者の収入が確保されれば、晩婚化・少子化に歯止めがかかるとも言われています。逆に、就職浪人やフリーターが増えれば、日本の弱体化は避けられず、そういう観点では、今回の見直しは国策の方向性に逆行しているとも言えますね。その背景には、新卒採用問題を理解している国会議員が殆ど存在せず、大企業と政治の癒着も止まらない現状があります。

猪俣

確かに。おっしゃるとおりですね。

舩川

舩川氏(左)、猪俣氏(右)先ほどハローワークの話をしましたが、もし就職浪人が増えるのであれば、その対策強化も話題となってくるでしょう。たとえば私の地元では「相談件数○倍増」といった数字が躍っています。しかし実際の就業成功件数は、僅か年間数百人という低レベル。相談件数増が実績増に繋がらなければ、存在価値がありません。こんな実態を見れば、公共事業の中にも、我々のチャンスがあることが分かります。中小企業と人材のマッチングは、今後ますます課題となる。就職支援の助成金等も大きくなるでしょう。学生が就職すれば、その後40年も社会保険料や税金を払い続けてくれる訳ですから、助成金を交付しても、投資対効果は非常に高い。

猪俣

確かに我々の事業はそういった公共機関でも活かせますね。

舩川

16の変化は、いずれにしても中途半端です。日本経済を支えてきた、日本独特の新卒一括システムをしっかり生かし続けるのか?それとも、学生時代は学業に専念し、卒業後に就活するグローバルの潮流に合わせていくのか?これからますます、海外人材の採用はドンドン加速し、日本の学生の海外就職も増加していく。そんな時代に合わせた、大学教育変革も含めての、スピーディかつ力強い根本的な構造改革が、今こそ必要であると感じています。

猪俣

なるほど。刺激的なお話でした。ありがとうございました!


 株式会社就活キャリア 代表取締役社長 舩川治郎氏(ふなかわじろう)
2013年設立。「『中身勝負』の本質発掘カンパニー」を掲げ、企業の採用活動支援と学生の就職活動支援を事業として行う。知名度や学歴に因らず、人間性やポテンシャルを重視した支援を「就活改革」とよぶ舩川氏は、みんなの党から衆議院議員に立候補したという経歴も持つ。
■就活キャリアHP http://www.shukatsu-career.co.jp/